ユニットバス浴室入口付近のゆか板の傷みの原因が不明にて、漏水個所を探りながら
修理した事例です。
名古屋市千種区S様より、LDKの壁クロスの貼替えと洗面所のゆか板を見てほしいとのご依頼により訪問いたしました。
壁のクロスの貼替えはこれといった問題はなかったのですが、洗面所のゆか板の傷みのほうが重要との説明をさせていただきました。
バリアフリータイプのユニットバスにて、入口付近のゆか板のフローリング材が完全に一部腐っていました。表面が腐って下から水が浮き出ている感じがみられました。
S様のご説明では、新築後15年ぐらいにて、3か月前より変色してきてブカブカになってきたとの説明でした。S様宅は木造住宅にて、各所の納まりからして、2×4工法の建物であることがわかりました。
故意にシャワーなど掛けたり、大量の水を入口近くに流せば若干のオーバーフローは考えられるかもしれませんが、それにしては傷みが激しすぎると感じました。家族が多く、濡れた足が原因なのかともS様は言われましたが、表面的な水濡れの要因ではないことは状況からして推察できました。
S様に水道料金の増額の確認およびメーターにて漏水の確認しましたが、異常はみられませんでした。
また、排水管からの漏水は状況からしてほぼ皆無であり、床暖房関連でもなく考えられる原因が見当がつきませんでした。
洗濯機、化粧台を養生してカット作業に入りました。2×4構造なので、フロアーの下に15mmの構造ベニアが貼ってありますが、当然それも腐っていました。
床下の一部構造材も腐っておりました。2×4の場合床組はSPF材の2×6材(ホームセンターでもみかけます)が使用されており、右側のほうがかなり水分を含んだ状態にて、取り外すとシロアリが食っているような形跡がありましたが、シロアリは存在してませんでした。
ユニットバス側からのぞきこむとユニットより水垢等が出ているのが確認できました。
工事着手前にユニットメーカーに入口付近の構造詳細を問い合わせていたので、赤矢印部品が取り外しできるようになっており、その中に排水溝があり、入口付近にきた水はその溝に入り、右図の排水管にて排出される構造になっていました。
よく調査してみますと左図の赤矢印部品と上記の排水溝が一体構造になっておらず(一体構造にしますとユニットのほうに何らかのひずみができて破損する恐れあるのであえて一体としていないようです)溝がゴミ等にて詰まると右図の太赤矢印部よりオーバーフローすることがわかりました。現状はかなりの水垢・ゴミが付着していてうまく排水ができていない様子でした。
それにより仕上げのフロアーと下の構造用合板との間に常に水が侵入して、下から水が湧き出ているようになったのでした。
S様は排水溝のふた部品を取り外せることをご存じなく、今後は取り外して清掃をしていただくようお願い致しました。
原因が判明したので、腐っている材は取替えおよび補強して耐水合板にて復旧しました。
入口付近だけクッションフロアー貼りとしました。
工事が完工して10日ほど様子をみさしていただき、床下にもぐり乾きおよび漏水の確認をしました。べたべたであった構造材はよく乾燥しており、漏水もみられませんでした。
床下にもぐったついでに他も確認した折、センタクパンの排水口より漏水を確認しました。
今回の工事にて、シロアリの存在はなかったですが、材を食った形跡と腐朽は確認できたので構造材乾燥後にユニット・洗面所・トイレの3箇所の床下だけシロアリ殺虫・防腐・防かび部分工事およびセンタクパン排水口修理をS様に進言見積もりして、ご了解いただきました。
センタクパン排水口分解パッキン交換締め付け。シロアリ材散布・注入工事しました。
今回クロス貼替え工事をメインとされていたS様でしたが、思わぬゆか板修繕工事となってしまいました。しかしあのまま放置しますと構造材がどんどん腐朽してしまい思わぬ大工事となってしまいますので、S様は早めの手当てにて運がよかったと言っておられました。
ユニットバスというものは漏水の可能性の低いもののはずですが、何らかの要因にて万が一に漏ることが千が一になり、百が一となることがよくわかった事例でした。
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